主婦やシニアの方の活躍創出部門

エントリーNO.10 株式会社 八幡

あらゆる世代が力を合わせ
全国に広めたい「田子の浦の釜揚げしらす」

〈商品の入手・問い合わせ先〉

しらすの八幡 本店
静岡県富士市鮫島462
TEL 0545-64-5131 / FAX 0545-64-5136
http://yahata1968.com/

〈会社概要〉株式会社 八幡
静岡県富士市中丸166-3
TEL 0545-63-4503
〈事業内容〉電機部品事業(組立加工・端末加工)
水産加工事業(加工・販売)

株式会社 八幡

代表取締役 深澤正彦さん(52)

静岡県富士市出身。先代社長より継承した会社の電機部品事業に加え、1997年水産加工事業部を立ち上げ「しらすの八幡」をオープン。釜揚げしらすを中心に、富士しらすを全国に広めるため柔軟な発想と行動力をもって邁進している。

恵まれた環境とこだわりの加工
とびきりおいしい「釜揚げしらす」

美しい富士山が市内のいたる所から見える静岡県富士市。特に田子の浦からの眺めは駿河湾越しに見える富士山という特別なもので、新古今集の中で山部赤人に詠まれた風景としても有名だ。

その田子の浦漁港で取れるのが、しらす。「田子の浦のしらす漁は一艘曳きなんです。二艘で網を引っ張るやり方よりはどうしても量は少なくなりますが、そのぶん活きがいい。二艘曳きだと水圧やしらす自身の重みで潰れてしまって網を引き揚げた時にはもう死んでしまっているしらすがほとんどなのですが、田子の浦のしらすは市場に卸してもまだピチピチしているんです。踊り食いもできるくらい」と話すのは株式会社 八幡の深澤正彦さん。「一艘曳きのいいところはほかにもあって、例えば網が2層になっているんです。すると大きさが揃いますから釜揚げにした時にきれいなしらすができあがる」のだそう。加工についてもこだわりがある。「氷を使って鮮度を保つことが多い中、わが社では冷凍車を導入しています。釜揚げにする直前まで一番いい鮮度を保ちやすいので美味しさが違いますよ!」なるほど実際に口にすると生臭さもなく磯の香りが広がり、ふんわりとやわらかで雑味がない。

「他の場所でもしらすは取れますが、この田子の浦のしらすがいちばんおいしいと思っています」と深澤さん。日本全国へ広めるため通販サイトを立ち上げたり、「御食事処やはた亭」で一般客のほかバスツアーを受け入れるなど日々奮闘している。

  • 大きさが揃った釜揚げしらす。季節ごとに取れる鰯が変わるため味わいも変化する

  • 本店は田子の浦港からほど近く、加工センターも目の前。新鮮なしらすが手に入る

  • やはた亭店内。釜揚げしらすのほか生しらす、ちりめん干しなども人気だそう

接客は元気なシニア世代が
活躍できる職場

株式会社 八幡の創業は1968年、電機部品の組立加工が専門だった。当時の社長であった現会長が漁業権付きで船を購入したことがきっかけとなり1997年より水産加工事業部を設立、直販店「しらすの八幡」をオープン。当初は趣味の延長のような状態で従業員も2人体制で回していたという。それから約20年。現在ではパート5名、社員3名が水産加工部で働いている。加工センター、「やはた亭」ともに働くパートは全員シニアだ。

現在65才の島倉壽美子さんは「やはた亭」で週に3日程度9時から16時まで調理と接客をこなす。以前は仕出しの弁当屋や病院で食事を作る仕事もしていたが「飲食に関係する仕事をしていたことはあるけれど、お客さんと直に接するのはこの仕事がほぼ初めてなの。おいしかった!と言われるのが本当に嬉しい」と話してくれた。

深澤さんは「シニアの方はとても接客向きだと思うんですよね。いい意味でおせっかい。責任感が強く、ここまでやってくれるの?というくらいよく仕事をされています」と語る。今ではなくてはならない存在と考えている。しかし、最初からシニアを目的とした求人をしていたのかという問いにはノー。「もともと電機のほうではパートが中心で、一番多い時期で9割がパートでした。その頃は主婦層が一番の働き手だったのですが」と深澤さんは言う。昔は自転車で近所の主婦が働きに来ていたが今は遠方から車で通勤する人のほうが多く、そもそも主婦層をターゲットに募集してもなかなか応募いただけない。地域全体が高齢化しているのを感じ、徐々に対象年齢を上げていったのだそうだ。

  • 加工センターは基本的にしらすが取れた日に稼働。ベテランシニアが支えている

  • 無人化されている工程も。「しらすの鮮度を生かすことが第一です」と深澤さん

さまざまな年齢層が
働きやすい環境を作ることが目標

シニアと主婦のほかにも電機部品事業部では中卒の採用も毎年行っている。「その子たちがこれから結婚、子育てもするだろうなって想像した時に、仕事を続けることに対して心配しなくていい会社でありたいんです」と深澤さん。そのため託児施設を作ることを考えている。「子どもと一緒に出勤し、休み時間にもちょこっと会えるような距離っていいと思いませんか?まだまだ問題は山積みですが5年以内には実現したい」と決意は固い。

インターネットの活用も視野に入れ、現在は外部に発注しているしらすのインターネット通販やホームページ管理者の雇用を考えているのだという。「外注もいいのですが作ったら終わり。あとはメンテナンス程度です。自社で雇用すれば気持ちが会社に向きますから。いいアイデアが出て売り上げがアップすれば、加工や販売での更なる雇用につながると期待ができます」。理由はもうひとつある。「インターネットを使った仕事なら、在宅ワークという選択肢も生まれます」託児施設と在宅ワーク、主婦・主夫の方のニーズにもかなり応えられるのではないだろうか。

島倉さんは「体が動く間はがんばりたい。ずーっと家にいたら、きっとすぐにあっちが痛いこっちが痛いということになりそうで(笑)働くことが元気でいる秘訣なの」と話す。深澤さんも「元気でやる気がある間は働いてもらいたいと思います」とのこと。「シニア層はお金のために働くわけではない方もいらっしゃいますから、いかに気持ちよく働いてもらうかが課題です。横のつながりが強い世代なので、次の方を紹介してくださったりもしますし」
若者、主婦・主夫、シニアとあらゆる世代が働きやすい環境を作ることを目指していく。

取材・撮影・デザイン・コーティング/アトリエあふろ
ライティング/アトリエあふろ(富成深雪、岡本靖正、佐藤福子)、N2(小野剛志)、川島 剛、永田知子

  • 共に働く社員は自分より若い世代だが「皆温かく接してくれ働きやすい」と島倉さん

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