主婦やシニアの方の活躍創出部門

エントリーNO.11 ゆいまーる沖縄 株式会社

女性のライフスタイルに合わせ
独自の勤務形態や制度を導入

〈商品の入手・問い合わせ先〉

ゆいまーる沖縄 株式会社
TEL 098-882-6990
http://www.yuimarluokinawaweb.jp/

〈会社概要〉ゆいまーる沖縄 株式会社
沖縄県島尻郡南風原町宮平652
TEL 098-882-6990
〈事業内容〉卸売・小売・企画
〈従業員数〉17名

ゆいまーる沖縄 株式会社

代表取締役社長 鈴木修司さん(40)

千葉県佐倉市出身。美大受験を機に、沖縄に移住。しかし、受験に失敗し、ゆいまーる沖縄にアルバイトとして入社。伝票の起票や商品管理の業務を担う。その後、創業者である故・玉城幹男氏の「沖縄を自立させたい」という思いに感銘を受け社員となり、代表取締役社長に。

「沖縄を自立させたい」
そのために“沖縄産”にこだわる

まぶしい太陽の光、爽やかな風、穏やかな人たち…。沖縄には数え切れないほど、人々を魅了するものがある。それを肌で感じさせてくれる会社がある。沖縄の南風原町にある「ゆいまーる沖縄 株式会社」だ。主に、沖縄の伝統工芸品や沖縄産の食品などの卸売や小売、企画を行っている地域商社。ゆいまーるとは、沖縄の言葉でユイ(結い、協働)+マール(順番)の意味で、順番に労働交換を行なうことや相互補助を意味する。

設立は1988年。創立者の玉城幹男氏が、「沖縄を経済的に自立させたい」という思いから起ち上げた。「沖縄日本復帰後、創業者の玉城は沖縄が経済的に自立できていないことに胸を痛めていました。そのような中で、沖縄を自立させるための手段として企業経営という道を選んだのです」そう話すのは、現在代表を務めている鈴木さん。その創業者の思いを大事に引き継ぎ、代表として会社運営に力を入れている。そして、その思いが如実に表れているのが、同社で取り扱っている商品。沖縄で原料調達されたもの、沖縄で企画されたもの、製造されたもの、そのどれかに当てはまるものしか取り扱っていないのだ。例えば、沖縄を代表する工芸品で、お土産としても人気の高い琉球ガラス。実は、約7割のものが県外で生産されているそう。しかし、同社では先に挙げた“沖縄産”のみ仕入れて販売している。過去には、沖縄をモチーフにしたグッズが同社でも類を見ないほどの売上を記録していたが、製造元などを詳しく調べると、 企画も製造も沖縄でないことが判明。販売を停止したという。

「経営の視点からいうと、輸入品の方が利益率は圧倒的に高く魅力的ですが、我々の目的は儲けるためだけではなく、あくまでも沖縄自立に寄与すること。そのために、できるだけ沖縄で作られているモノを仕入れて販売し、沖縄の産業を発展させなければなりません」そう鈴木さんは力強く話す。とはいえ、モノが売れなければ沖縄の人のためにはならない。「例えば、沖縄の織物はとても品質が優れているといわれています。その背景には、首里王府の時代に、薩摩への貢納布として納品する際に、糸のほつれ1つさえ許されないといった厳しい検査が課せられるという歴史がありました。しかし、それにより技術が高まり、織物の品質が高まったのです。また、島々で異なる織物作りを課されたことで、その島ならではの美しい織物が生まれました。こういったストーリーを付加価値として、工芸品とセットしていくことが使命だと思っています」と鈴木さん。工芸品には、その土地の文化や人々が紡いできた歴史が反映される。それこそが工芸品の魅力でもあるのだ。

  • 小売店を事務所に並列して設立。生活者と直接コミュニケーションを取れる場を設けた。また、ここでワークショップも開催

  • 同社では、近年ブランド開発にも力を入れている。沖縄の言葉で「ありがとう」を意味する「にふぇーでーびる」から取られたブランド「nife(ニーフェ)」。沖縄県産陶器に欠かせない唐草模様の鮮やかな青色が印象的

主婦が最大限力を発揮できるよう
フルタイムでもなくパートでもない
中間の働き方=「7時間勤務」を導入

現在、同社で働くスタッフは社員、パート含め17人。うち8人が主婦のパートである。意識的に主婦を採用している訳ではないが、主婦の持つある視点が事業に大きく貢献しているという。

「主婦の方の多くは、『生活者視点』を持っています。『どんなものがあると便利』といった視点は、卸売や小売をしている我々の事業において、とても重要なこと」そう鈴木さんは話す。加えて、それが組織運営にも役立っているという。同社では、現在「業務改善プロジェクト」というものを実施している。これは、「どうしたらもっと効率よく仕事ができるのか?」「どうしたら無駄を減らせるのか?」を従業員がアイデアを出し、実践していくもの。それがどう成果につながったのかを記録し、ポイントを付け、それによって表彰されインセンティブが授与されるのだ。実際に同社で勤務し17年が経つ高嶺さんは、「どんな些細なことでも提案できて、それが評価してもらえるので仕事のモチベーションになります」と話す。鈴木さんも、「主婦の方のものの見方にはいつも驚かされます」と語ってくれた。

そんな主婦の方がイキイキと働けているのには、「働き方」も大いに関係がある。同社では、フルタイムとパートタイム以外に、その中間の働き方ができる「7時間勤務」という勤務形態を設けている。フルタイム正社員と同等もしくはそれ以上の意欲や能力があるものの、長い時間は働けない方のための制度だ。しかも、その勤務時間を個人のライフスタイルに合わせて選べるようにしている。

今年で勤続6年目を迎える由利さんは、3人の子どもを持つ母親。現在は7時間勤務のスタッフとして働いている。「1人目の子どもが1歳の時に入社して、最初は7時間勤務でしたが、2人目の子どもが生まれ産休・育休後に復職した際は、5時間勤務に。そして、現在はまた7時間勤務として働いています。こちらの要望に応えて勤務体制を整えてくれるので、とても助かっています」と由利さん。子どもを持つ主婦が働く際の大きな不安としてあがる、“子どもの体調問題”にも、同社はとても柔軟に対応している。鈴木さんは「従業員が弊社で働けるのもご家族があってこそ。だから弊社では子どもの面倒や親の介護など、ご家族のことを優先してもらうような環境を整えたい」と話す。もちろん、そこには業務が滞らないような工夫も。個人に仕事が依存することのないように、業務は極力“見える化”し、誰が休んでも代わりのスタッフで対応できるように心がけているのだとか。男性従業員も、子どもの体調不良により早退することももちろんあるそうだ。由利さんも「皆さん、理解があるのでとても助かっています」と語る。まさしく、社名の「ゆいまーる」が意味する相互補助そのものである。結果、同社でのパートの定着率は創業以来高い。

  • 場合によっては、出張にいくこともあるという由利さん。「今は時間的にできないこともありますが、子どもがもう少し大きくなったら今後はもっと仕事に時間を割きたいです」

5日連続の有給取得で
従業員のプライベートを充実させる

さらに、従業員のプライベートが充実するような制度も採用されている。それは、「ゆくいまーる休暇」。これは、従業員の雇用形態にかかわらず、規則として有給を5日間以上連続で取得するというもの。パートの高嶺さんは、「この制度のおかげで、これまでにイタリアやハワイなど何度か海外旅行に行くことができました。ハワイに至っては12日間も休ませてもらえたので、今まで知らなかったハワイの魅力にたくさん出会えました。この会社だからこそ、ここまでお休みをいただけるのだと思います」と話してくれた。これも業務を“見える化”しているからこそできることだ。鈴木さんは、「将来的には10日間連続で有給が取得できるような仕組みづくりをしていきたいです」と語る。

一方で従業員教育にも力を入れているのが、同社の大きな特徴でもある。“沖縄産”の商品にこだわっているからこそ、沖縄についての理解を深めるためならと、積極的に支援をしている。そのひとつが、図書研修費。沖縄について学ぶための本や資料の購入、体験などの費用を会社が援助している。実際に、高嶺さんはその制度を利用して沖縄の伝統工芸である紅型(びんがた)を習っている。「自分の興味があることに会社からの補助があるのはうれしいですね。今後は仕事を頑張りつつも、紅型を極めたいですね」と高嶺さん。ほかにも店舗で様々なワークショップを開催したり、新人研修では沖縄演劇を鑑賞したり、沖縄の自然崇拝の象徴ともいえる御獄(うたき)への御願(うがん)をするなど、従業員教育にも力を入れている。今後も、「沖縄の自立に寄与するために自分たちは何ができるのかを追求したい」と話す鈴木さん。地元を愛し、地元を守り育てる。まさに地方企業の鑑のような存在である。

取材・撮影・デザイン・コーティング/アトリエあふろ
ライティング/アトリエあふろ(富成深雪、岡本靖正、佐藤福子)、N2(小野剛志)、川島 剛、永田知子

  • もともと地元のモノが大好きだったという高嶺さん。「社販で商品を買えるのも大きなメリットですね。我が家にある食器はすべて沖縄産のものです」

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